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「フットケア領域」 Vol.7 2010年 7月 「足の病気」PAD:下肢閉塞性動脈硬化症

新古賀病院
石橋 理津子さん

創傷治療センター(通称:足外来)看護師長
褥瘡認定看護師
日本フットケア学会フットケア認定指導士
日本静脈学会認定弾性ストッキング・コンダクター

 

前回紹介させていただいた、PADについて今回はお話ししましょう。PAD(Peripheral Anterial Disease)とは末梢動脈疾患のことを指します。
末梢とは足、手も含む動脈疾患のことですが、足の症例が非常に多いことから、下肢閉塞性動脈硬化症=PADのようなとらえられかたが最近多いことは事実です。
では、この下肢に起きる閉塞性の動脈硬化とはいったい何なのでしょうか?
動脈硬化と聞き、連想する疾患としてすぐに思い浮かぶものは、「脳梗塞」「脳出血」または「心筋梗塞」などではないでしょうか?いずれも命に関わる大病ですね。これと同じことが実は足の血管でも起きますよ、ということです。
なんだ、足の血管が詰まっても命には別状ないだろう、なんて思っているあなた!!とんでもありません。

 

末梢動脈疾患のリスクファクターとして高血圧・異常脂質血症・腎不全などがあげられますが、最も高いリスクファクターとして挙げられるのは「糖尿病」「喫煙」です。
糖尿病については、次回ご説明するとして・・・。
この動脈硬化が進むと足の血管が狭窄または閉塞してあらゆる症状がでてきます。
まずはじめの症状として、足のしびれや冷感などがでてきます。なんとなく足が冷える、なんとなくしびれた感じがするなあ、といった症状は通常でもありがちですね。
従って病変を見落としがちとなります。その後長い時間歩いていると足が痛くなる、といった症状へ進行します。この症状を「間欠性跛行」と呼びます。この間欠性跛行は前回のエッセイの中でもご紹介しましたね。
長時間あるくと足が痛い、しばらく休むと痛みがなくなり再び歩くことができるといった症状です。この段階でも、足の病気かな?と気づくかたは殆どいらっしゃいません。
もともと心臓の病気などで病院にかかってらっしゃるかたは問診の合間にそのような症状をはなしたことによって、「足の血管病変では??」と循環器の医師であれば気づいてくれるかもしれません。
そうでない診療科ではこの病変はまだまだ周知されていないので発見が遅れるのですね。
昨年全国で30代から60代男女合わせた600名を対象にしたアンケートで、足の血管も動脈硬化をおこすと認知しているひとは約27%、足が痛いときに病院へ行くと答えたひとは25%、その際、循環器を受診すると答えた人はたった19%だけでした。
実に認知度が低い疾患なのです。しかしこの足の病気になる患者さんは非常に増えています。この増加は糖尿病・透析の患者数の増加と共に上昇しています。この話しは次回に行うとして・・・。
間欠性跛行の時点で治療を行わないと、歩かなくても足が痛い・寝ている間もずっと足が痛いという「安静時疼痛」へと進行していきます。更にそのまま放置しておくと足先が潰瘍または壊疽をおこすことになります。
つまり、足先から腐ってくるのです。
怖いですね。。。

しかし、足の病気は突然やってくるものではありません。
足の血管が詰まる、ということは心臓もしくは脳の血管も動脈硬化が進んでいる可能性が大いにあります。それまでの日常生活、食生活または遺伝因子が絡んでいるのかもしれません。まずは生活習慣病の予防が最も大切ですね。

運悪く、足の病気にかかったとしてもまだ救いはあります。
循環器や血管外科の医師たちは日夜、詰まった血管に対して治療をおこなっています。
循環器の医師たちは特殊なカテーテルを使用して足の血管をひろげます。血管外科の医師たちは詰まった血管をとびこえて、バイパスを施してくれます。このような治療を率先的に行ってくれる施設も全国で増えつつあります。

まずは「足が痛い」という症状を認識すること、放っておかずに「病院」へいきましょう。
次回は、受診診療科・初検査内容・治療方法について詳しくお話ししましょう。

足の病気なんてこわくないぞお!!

【参考サイト】
大塚製薬 「手足の変化に気をつけて」

 

「看護どっと合言葉」より転載

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